損害保険は、支払う保険料と受け取る保険金それぞれで税金の扱いが変わります。控除と非課税のルールを整理しましょう。
先生、生命保険料は所得控除になるって習ったけど、損害保険料も安くなる控除ってあるの?
あるのよ。
それが地震保険料控除。
支払った地震保険の保険料が、所得から差し引ける制度なの。
実は損害保険で使える所得控除は、この地震保険料控除だけなのよ。
補足すると、以前は『損害保険料控除』がありましたが2006年で廃止され、現在は地震保険料控除に一本化されています。
火災保険料そのものは控除の対象になりません。
火災保険はダメで、地震保険だけなんですねぇ。
控除の金額って、いくらまでなんですかぁ?
控除額は所得税で年間の支払保険料の全額、ただし上限5万円までよ。住民税では支払保険料の2分の1、上限2万5,000円までなの。
所得税は最大5万円、住民税は最大2万5千円か。
数字が半分になってるんだね。
覚えやすい!
はい、住民税は所得税の半分と覚えると効率的です。
これは支払う側、つまり保険料の話ですね。
次は受け取る側、保険金の税金です。
そういえば、火事でお金をもらったら、それにも税金がかかるんですかぁ?
なんだかかわいそうな気もしますけど…
安心して、美羽ちゃん。
損害保険の保険金は、損害の穴埋め(実損てん補)だから、原則として非課税なの。
火災保険金や車両保険金を受け取っても、税金はかからないのよ。
お、それはよかった!
損した分の埋め合わせなのに税金取られたら踏んだり蹴ったりだもんね。
ここが理由の核心です。
前に学んだ利得禁止の原則のとおり、損害保険金は利益ではなく損失の補てんなので、所得とはみなされず非課税になるのです。
ただし例外もあるの。
個人が受け取る死亡保険金や満期返戻金など、貯蓄性のある部分は課税対象になることがあるのよ。
傷害保険の死亡保険金は、契約者と受取人の関係で相続税・所得税・贈与税のいずれかがかかるわ。
うぅ〜ん…モノの損害を埋めるお金は非課税、でも人の死亡でもらう部分は課税されることがある…って区別なんですねぇ。
整理するとこうです。
控除できるのは地震保険料控除のみ、損害の補てんとしての保険金は非課税、貯蓄性・死亡関連の保険金は課税されうる。
この3点セットで覚えましょう。
完璧なまとめね、栞さん。
特に『損害保険料で控除できるのは地震保険料控除だけ』『損害の補てん保険金は非課税』は頻出だから、必ず持ち帰ってね。
確認クイズ
損害保険と税金に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 支払った火災保険料は、その全額が地震保険料控除の対象となる。
- 地震保険料控除の所得税における控除限度額は、年間5万円である。
- 火災により受け取った火災保険金は、その全額が一時所得として課税される。
- 地震保険料控除の住民税における控除限度額は、年間5万円である。
こたえを見る
正解: 2. 地震保険料控除の所得税における控除限度額は、年間5万円である。
地震保険料控除の所得税の限度額は年間5万円(支払保険料の全額)です。1は火災保険料が控除対象外(対象は地震保険料)なので誤り。3は損害の補てんとしての火災保険金が原則非課税のため誤り。4は住民税の限度額が2万5,000円(支払保険料の2分の1)なので誤りです。