相続税・贈与税を計算するには、相続財産の『金額』を決める必要があります。上場株式や預貯金、そして評価が難しい取引相場のない株式(自社株)の評価方法を押さえましょう。
相続した株や預金って、亡くなった日の値段で計算するの?
預貯金は基本そうね。
普通預金なら課税時期(相続開始日)の残高で評価するの。
定期預金は残高に、経過利子(源泉税控除後)を加えて評価するわ。
上場株式は少し工夫があります。上場株式は、課税時期の終値のほか、その月・前月・前々月の毎日の終値の月平均額のうち、最も低い価額で評価できます。
株価変動による不利を避けるためですね。
会社を経営している人の、その会社の株はどう評価するんですかぁ?
市場で売ってないですよね?
いいところ。
市場価格のない取引相場のない株式(自社株)は特別な評価が必要なの。
まず、その株を取得する人が経営に関わる同族株主かどうかで方法が分かれるのよ。
同族株主のときは、どんな方法で評価するの?
会社の規模に応じて原則的評価方式を使うわ。
似た事業の上場企業と比べる類似業種比準方式や、会社の純資産を基にする純資産価額方式、その併用ね。
会社規模で使う方式が変わるの。
一方、経営に関与しない少数株主が取得する場合は配当還元方式という、配当実績から評価する簡便な方法が使われます。
一般に原則的評価方式より低い評価額になります。
誰が取得するかで評価額が変わるなんて、おもしろいですねぇ。
そう、支配する立場かどうかで価値が違うと考えるのよ。
事業承継対策では、この評価額をどう下げるかがテーマになるの。
『上場株は4つの最低値、自社株は同族なら原則的・少数株主なら配当還元』ね!
確認クイズ
財産の評価に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 上場株式は、課税時期の終値のみで評価しなければならない
- 取引相場のない株式は、取得する株主が同族株主等か否かにかかわらず、常に配当還元方式で評価する
- 取引相場のない株式について、経営に関与しない少数株主が取得する場合は配当還元方式で評価する
- 上場株式の評価では、課税時期の属する月の翌月以降の株価も評価に用いる
こたえを見る
正解: 3. 取引相場のない株式について、経営に関与しない少数株主が取得する場合は配当還元方式で評価する
正解は3。経営に関与しない少数株主が取得する取引相場のない株式は配当還元方式(3が正しい)。上場株式は終値のほか3か月分の月平均の最低額でも評価できる(1は誤り)。取引相場のない株式は同族株主等なら原則的評価方式で、常に配当還元ではない(2は誤り)。評価に用いるのは当月・前月・前々月で翌月以降は用いない(4は誤り)。