贈与税の計算に入る前に、そもそも『贈与』とは何かを押さえましょう。贈与は契約の一種で、種類によって取り扱いが異なります。また、形の上では贈与でなくても贈与とみなされる『みなし贈与』にも注意が必要です。
贈与って、ただ『あげる』ってことだよね?
契約とか大げさじゃない?
実はれっきとした契約なの。贈与は、あげる人(贈与者)ともらう人(受贈者)双方の合意で成立する契約なのよ。
片方の意思だけでは成立しないの。
補足すると、口約束の書面によらない贈与は、まだ実行していない部分(履行前)ならいつでも撤回できます。
一方、書面による贈与は原則として撤回できません。
贈与にも種類があるんですかぁ?
あるわ。
毎年一定額を贈ると約束する定期贈与、財産をあげる代わりに債務を負担させる負担付贈与、贈与者の死亡で効力が生じる死因贈与などね。
死因贈与って、遺言で財産を渡すのと何が違うの?
死因贈与は生前の『契約』で双方が合意しているのがポイント。
遺言による遺贈は一方的な意思表示なの。
ただ、死因贈与は贈与税ではなく相続税の対象になる点に注意よ。
そして重要なのがみなし贈与です。
形式上は贈与でなくても、実質的に贈与と同じ利益があれば贈与税がかかります。
たとえば著しく低い価額での財産の譲渡(低額譲受)や、借金の免除などが該当します。
親名義で作った子ども名義の預金も、気をつけないといけないって聞きましたぁ。
そうなの。
名義だけ子どもでも、実際は親が管理している名義預金は、贈与が成立していないとみなされ、親の財産として相続税の対象になることがあるの。
『あげた・もらった』の合意と実態が大切なのよ。
『贈与は双方合意の契約、書面なら撤回不可、低額譲受はみなし贈与』ね!
奥が深い!
確認クイズ
贈与に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 贈与は、贈与者が一方的に『あげる』という意思を示すだけで成立する
- 書面によらない贈与は、まだ履行していない部分についてはいつでも撤回することができる
- 死因贈与により取得した財産には、贈与税が課される
- 著しく低い価額で財産を譲り受けても、贈与税が課されることはない
こたえを見る
正解: 2. 書面によらない贈与は、まだ履行していない部分についてはいつでも撤回することができる
正解は2。書面によらない贈与は履行前ならいつでも撤回できる(2が正しい)。贈与は双方の合意で成立する契約(1は誤り)。死因贈与は相続税の対象で贈与税ではない(3は誤り)。著しく低い価額での譲受はみなし贈与として贈与税の対象になりうる(4は誤り)。